ニッコール千夜一夜物语(NIKKOR镜头一千零一夜)第十二夜 NIKKOR-H Auto 2.8cm F3.5

银盐颂2018-08-04 13:10:30

第十二夜 NIKKOR-H Auto 2.8cm F3.5


 

一眼レフカメラを汎用カメラとして認知させるきっかけともなった広角レンズ
NIKKOR-H Auto 2.8cm F3.5


180mm(第十夜)、300mm(第十一夜)と望遠系レンズが続いたので、今回は広角レンズの「NIKKOR-H Auto2.8cm F3.5」のお話をしよう。


第十夜和第十一夜连续讲述了两款远摄镜头,这次我想讲述一款广角镜头――“尼克尔-H自动2.8cmf/3.5”。


「ニコンF」発売の翌年、昭和351960)年3月に発売になったこのレンズは、現代の感覚でいえば開放F値が暗めで平凡なスペックの広角レンズに過ぎないが、当時としてはハイスペックな高性能レンズであった。いやそればかりではない。一眼レフレックスカメラがいわば汎用カメラとして認知されるきっかけともなった重要なレンズなのである。

 

发售于1960年(发售尼康F照相机的次年)3月的这款镜头,以当今的标准看来,只不过是一款“全开光圈时稍暗,规格也不起眼的广角镜头”。然而,在当时这可是一款高规格且高性能的镜头。不仅如此,它还是一款使单反相机确立起所谓的“通用相机”形象的重要镜头。

 

大下孝一

1、小さな巨人


1.NIKKOR-H Auto 2.8cm F3.5断面図

「ニコンF」発売と前後して、各社から一眼レフカメラが数多く発売されたが、すぐさま一眼レフは汎用カメラとして認知されたわけではない。当時の汎用カメラといえば、やはりライカやニコンS系カメラに代表されるレンズ交換可能なレンジファインダーカメラであって、「一眼レフカメラは、レンジファインダーでは撮影が困難な望遠撮影や近接撮影用のカメラ」という認識があった。

在尼康发售“尼康F”的几乎同一时期,其他公司也分别推出了多款单反相机。但是,单反相机并未立刻被认可为通用相机。当时,提起通用相机,还要数由莱卡和尼康S系列所代表的可更换镜头测距仪相机。大家对单反相机的认识为――适合远摄或近摄(较难用测距仪相机进行拍摄)的照相机。


それも無理はない。当時の一眼レフ用の広角レンズは種類も少なく、スペックや描写性能面で未だ満足のできるものではなかったからである。ご存知のように一眼レフカメラには、カメラの内部にレフレックスミラーを組み込んだミラーボックスを有しており、このレフレックスミラーとその動きと干渉しないために長いバックフォーカスを持った撮影レンズが必要とされる。当時はまだ、性能を良好に保ちつつ、焦点距離よりもはるかに長いバックフォーカスを持つレンズタイプはまだ確立されておらず、広角レンズの開発には今までにない全く新しいレンズタイプを必要としていた。一方、レンジファインダーカメラの方は、バックフォーカスの制約がないため、既に広角レンズ用としてさまざまなレンズが開発されており、一眼レフに比べて圧倒的な優位性を持っていたのである。


那时用于单反相机的广角镜头种类稀少,在规格和描写性能方面也尚不尽人意。如大家所知,单反相机的机身中有一个装有反光板的反光镜盒,为了不和反光板本身及其动作产生干扰,摄影镜头必需具有较长的后焦距。在那个年代,还未成功确立起既能保持良好性能又具有远远长于焦距的后焦距的镜头类型。因此,广角镜头有必要开发出一种前所未有的镜头类型。而测距仪相机没有后焦距的限制,因此已成功开发出多种类型的广角镜头。与单反相机相比,测距仪相机拥有压倒性的优势。


このような情勢の中、昭和341959)年に誕生した「Nikon F」は、あらゆる撮影状況に対応しうる万能カメラとして、レンジファインダーを超えるカメラとして企画されたものである。したがって、「Nikon F」が万能カメラたるためには、高性能な広角レンズの開発が急務であった。


尼康F”(1959年面世)就是在这样的形势下,作为能应对多种拍摄情况的照相机以及能在性能上超越测距仪相机而展开的设计项目。正因如此,要使“尼康F”能名副其实地成为一款适应多种拍摄情况的照相机,高性能广角镜头的开发工作迫在眉睫。


この命を受け、開発を担当されたのは、これまでにもこの「ニッコール千夜一夜物語」に何度か登場している脇本善司氏であった。当時、一眼レフ用の逆望遠レンズ型(=通常のレンズの前に大径の凹レンズを置く非対称な構成)の広角レンズは、フランスアンジェニュー(Angenieux)社の「レトロフォーカス(Retrofocus:商品名)35mm」の発売を契機として各社が開発に鎬(しのぎ)を削る最中であった。しかし、この「レトロフォーカス」を含めて、それまで知られていた逆望遠型のレンズ構成のままでは、28mmに広角化したときに満足のいく光学性能にはなりそうになかった。


负责开发工作的就是曾在“尼克尔镜头——“一千零一夜”故事”中多次提到

过的脇本善司先生。当时,在用于单反相机的反远摄型(在普通镜头前方放置大口径凹透镜的非对称型结构)广角镜头方面,以法国安琴(Angénieux)公司发售的“反远距(Retrofocus;商品名称)35mm”镜头为首,各公司正展开着激烈的竞争。然而,如果沿用已知的反远摄型镜头结构(包括上述“反远距35mm”),那么在将焦距缩短至28mm以实施广角化时,便无法达到令人满意的光学性能。


そこで脇本氏は、試行錯誤の末、逆望遠型で新しいレンズタイプを見出した。これが「NIKKOR-H Auto2.8cm F3.5」(<図1.>)である。


于是,脇本先生开始反复摸索,并终于发现了一种新的反远摄型镜头类型。那就是“尼克尔-H自动2.8cm f/3.5”<图1>。

 

 このレンズの構成は<図1.>のように、

·        凸レンズと凹レンズで構成した全体では凹の前群と、

·        凸レンズ、絞り、凹レンズ、凸レンズ、凸レンズの4枚のレンズで構成した通常のレンズのような後群


如<图1>所示,该镜头的结构为:

  • 由凸透镜和凹透镜组成的整体呈凹的镜头前组,和

  • 由4片透镜(从前往后分别为凸透镜、光圈、凹透镜、凸透镜、凸透镜)组成的普通型镜头后组

 

とで構成した逆望遠レンズタイプ(現在ではア社の商品名から転じてレトロフォーカスタイプと通称総称されることが多い)である。脇本氏による新しいレンズ構成の特徴は、後群の構成を、それまでの逆望遠レンズで採用されていた凸凸凹凸のレンズ構成から、凸凹凸凸の構成に変更したところにある。それまでのレトロフォーカスタイプでは、前群は、ディストーション(歪曲収差)を補正するための凸レンズと、バックフォーカスを長くするための凹レンズで構成しているが、オリジナルの後群の凸凸凹凸の構成では、この前群で発生するコマ収差をうまく打ち消すことが出来ず、絞り開放ではフレアが多く不十分な性能のものが多かった。


构成的反远摄镜头类型(现在,大家常将“反远距”这一原为安琴公司的商品名称改作对这种镜头类型的通称)。脇本先生发现的这种新镜头结构,其特征在于将后组的结构从以往反远摄镜头所采用的“凸凸凹凸”更改为“凸凹凸凸”。以往的反远距型镜头,其前组由起到校正失真(畸变)作用的凸透镜和起到延长后焦距作用的凹透镜组成。原来的“凸凸凹凸”后组结构无法顺利消除由前组产生的彗形像差,因此常会出现全开光圈时杂光较多和性能不够理想的情况。

脇本氏は、この後群の構成を<図1.>のような凸凹凸凸とすることによって、レトロフォーカスタイプの弱点であった画面周辺部のコマ収差を劇的に補正改善し、オルソメタータイプ(対称型構成のひとつ)のS用「W-Nikkor 2.8cm F3.5」を上回る高性能な28mmレンズを完成したのである。一見ささいなことに見える後群の変更ではあるが、このレンズタイプ発見の功績はそれだけにとどまらない。この後群の凸凹凸凸構成の発見によって、いままで非常に困難とされていた一眼レフ用の焦点距離24mm以下の広角レンズや、大口径広角レンズの設計の道筋に光明が見えてきたからである。

脇本先生通过将后组结构更改为如<图1>所示的“凸凹凸凸”,显著地校正并改善了画面边缘部分的彗形像差这一反远距型的弱点,实现了这款超越“W-尼克尔2.8cm f/3.5”(奥索曼泰型【对称型结构之一】;用于尼康S系列相机)的高性能28mm镜头。虽然对后组的更改乍看之下微不足道,但发现该镜头类型的功绩并非仅限于此。到那时为止,用于单反相机的焦距短于24mm的广角镜头、大口径广角镜头设计被认为相当困难。正是这一后组“凸凹凸凸”结构的发现,为此类镜头的设计工作带来了一道希望之光。

事実、この28mmレンズの開発以降、「NIKKOR-O Auto 35mm F2」(昭和401965)年)、「NIKKOR-N Auto 24mm F2.8」(昭和421967)年)、「NIKKOR-UD Auto 20mm F3.5」(昭和431968)年)と革新的な広角レンズを次々開発し、一眼レフの撮影領域を広げてゆくことになる。

有凭可依,自从开发出这款28mm镜头之后,“尼克尔-O自动35mm f/2”(1965年)、“尼克尔-N自动24mm f/2.8”(1967年)和“尼克尔-UD自动20mm f/3.5”(1968年)等多款创新的广角镜头接踵而出,从此拓宽了单反相机的拍摄领域。

試みにニッコールレンズのカタログ最新版などに掲載されている広角レンズの断面図をご覧いただきたい。「AI AF Nikkor ED 14mm F2.8D」(平成122000)年)や「AI AF Nikkor 28mm F1.4D」(平成21994)年)をはじめとするAFニッコールの広角レンズ全てに、この凸凹凸凸のレンズ後群の構成が含まれているのがおわかりいただけるだろう。

请参阅最近的尼克尔镜头商品目录中登载的广角镜头截面图。您会发现,以“AI AF尼克尔ED 14mm f/2.8D”(2000年)、“AI AF尼克尔28mm f/1.4D”(1994年)为首,所有AF尼克尔广角镜头中都包含了该“凸凹凸凸”的镜头后组结构。

また、「AI AF 28mm F2.8D」(平成21994)年)のように、「NIKKOR-H Auto 2.8cm F3.5」と同じレンズ構成(66枚)のものもある。これらはニコンのレンズに限ったことではない。現在発売されている多くのレトロフォーカスタイプ広角レンズは、この「NIKKOR-H Auto 2.8cm F3.5」レンズをお手本にしているといってよい。アンジェニュー社から誕生したレトロフォーカスタイプは、いわばこの「NIKKOR-H Auto 2.8cm F3.5」レンズによって本当に完成したと言えるのではないだろうか?外見は小さなレンズであるが、その開発の意義は非常に大きかったのである。

此外,还有“AIAF 28mm f/2.8D”(1994年)等具有和“尼克尔-H自动2.8cm f/3.5” 相同结构(6组6片)的镜头。这一现象并不仅限于尼康的镜头。可以说,现今市场上发售的反远距型广角镜头中有很多就是以该“尼克尔-H自动2.8cm f/3.5”作为原型的。就我的看法,安琴公司研制出的反远距型镜头结构通过“尼克尔-H自动2.8cm f/3.5”镜头终于达到了完善的境地。这款镜头外形虽小,其开发意义却重如泰山。

 

2、レンズの描写


作例1


作例2

では、作例をもとに、このレンズの描写を見ていこう。

接下来,让我们通过范例照片来看看这款镜头的描写特性。

このレンズの描写については定評があり、現在のレンズと比較しても何らひけをとらないものである。被写体の細部を克明に描ききる描写には、開放からナイフのような鋭さと力強さがある。「シャープでかりっとしたコントラスト」というニッコールレンズのイメージは、あるいはこのレンズによってつくられたものなのかもしれない。その秘密は、コマフレアの少なさにある。コマフレアの目立ちやすい夜景や星の写真を、絞り開放で撮影しても顕著なコマフレアは認められない。天体写真ファンの間でこのレンズが愛用され続けてきた理由は、ここにあるのだ。

这款镜头的性能长期获得市场好评,即便与当今的镜头相比也毫不逊色。对于拍摄对象细节的描写即细致又透彻,从全开光圈时即能展现出利刃般的尖锐及强有力的特性。“鲜明且干脆的对比度”这一尼克尔镜头的形象,或许可以说就是由这款镜头树立起的。彗形像差相当微小就是秘密所在。即使用全开光圈拍摄容易出现彗形像差的夜景或星星,也难发现明显的彗形像差。该镜头一直受到天体摄影爱好者钟爱的理由就在于此。

F3.5開放では画面中心から周辺部まで均質でシャープな描写であり、絞り込むことによってさらに均質性とシャープさを増していく。しかし、開放から十分なコントラストがあるため、絞りによる描写の変化はほとんどないといってよいだろう。非常に使いやすいレンズである。

全开光圈(f/3.5)时,从画面中心直到边缘部分都能形成均匀且鲜明的描写效果。通过收缩光圈可进一步提高均匀性和鲜明度。但由于对比度从全开光圈时就已相当充分,所以收缩光圈几乎不产生描写上的变化。总而言之,这是一款非常易于使用的镜头。

<作例1.>は、f/8まで絞って撮影しているが、非常にシャープで、レトロフォーカスタイプの広角レンズにはつきものとされるディストーション(歪曲収差)も非常に小さいことがおわかりいただけるだろう。

<范例1>是将光圈收缩到f/8拍摄的。可以看出,画面非常鲜明,而且被认为是反远距型广角镜头难以避免的失真(畸变)也很小。

<作例2.>は、絞り開放での撮影である。開放F3.5と暗めの広角レンズであるので、開放絞りでも大きなボケは期待できないが、素直なボケ味で筆者個人はとても気に入っている。

<范例2>是使用全开光圈拍摄的。由于这是一款较暗(全开光圈时:f/3.5)的广角镜头,因此即使在全开光圈时也较难期待有强烈的散焦效果。但就我个人而言,我非常欣赏该镜头不矫饰的散焦效果。

周辺光量の低下は、絞り開放ではわずかにあるが、作例のようなシーンではほとんど目立たないレベルである。このように非常に卆(そつ)のない描写をする広角レンズであるが、唯一の欠点といえば、被写体にフィルム面から60cmまでしか寄れない最短撮影距離であろうか?このスペックには、このレンズが非常に高い性能をもち、ディストーション(歪曲収差)の補正が完璧になされていたがゆえにレトロフォーカスタイプにつきものの近距離の性能劣化がより目立ってしまって、やむなく至近距離を60cmに止(とど)めた......といういきさつがあるらしい。「至近距離60cm」というと、レンジファインダー用の広角レンズと比較するならば同等以上の性能ではある。しかし、この仕様ではパララックス(視差)がなく近接撮影に強いという一眼レフのメリットは残念ながらあまり生かすことはできない。「広角レンズで被写体にもっと寄って撮影したい!」というユーザーの要望も次第に大きなものになっていった。これが近距離補正機構を搭載した「NIKKOR Auto 24mm F2.8」の開発につながってゆくわけであるが、このことはまた第十四夜でお話したいと思う。

 

边缘部分的光量在全开光圈时虽略微有些下降,但在像范例那样的场景时可以达到不怎么显眼的水平。“60cm的最近对焦距离”与用于测距仪相机的广角镜头相比,可以说在性能上更胜一筹。但很遗憾,该规格无法体现出“因无视差故适合近摄”这一单反相机的优点。“要用广角镜头更靠近拍摄对象进行拍摄!”这一用户的要求日渐高涨,并牵动起了具备近距矫正系统的“尼克尔自动24mm f/2.8”镜头的开发工作。我会在第十四夜中和大家再作介绍。


参考文献

http://www.nikon-image.com/enjoy/life/historynikkor/

http://www.nikon.com.cn/microsite/nikkorcom/story/index.html

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 本文编辑翻译补充:毛子

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